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デイサービスの集客・稼働率

デイサービスの集客・稼働率を上げる方法|ケアマネ営業から口コミまで実践ガイド

「定員に空きがあるのに、新しい利用者が入らない」「新規は入っても、入院や施設入所で終了が続き、稼働率が上がらない」。デイサービスの経営者や生活相談員にとって、稼働率は最も気になる数字の一つです。

結論から言うと、稼働率は「新しい利用者を迎える(集客)」と「今の利用者に通い続けてもらう(継続)」の両輪で決まります。どちらか一方だけを頑張っても、稼働率は安定しません。

この記事では、稼働率の計算方法から、ケアマネ営業・Web・口コミの集客方法、利用を続けてもらうための工夫までを、順番に解説します。

デイサービスの稼働率とは?計算式と目安

稼働率とは、受け入れられる人数(定員)のうち、実際に何割が利用したかを示す数字です。月単位では次の式で計算します。

稼働率(%)= その月の延べ利用者数 ÷(定員 × 営業日数)× 100

たとえば定員20名・月の営業日数25日の事業所で、延べ利用者数が400人なら、400 ÷(20 × 25)× 100 = 80% です。

採算ラインは人件費や家賃、加算の取得状況で大きく変わるため、一律の正解はありません。まずは自社の損益分岐点となる稼働率を計算し、「あと何人増えれば黒字か」を把握することが出発点です。

あわせて、曜日ごとの稼働率も計算しておきましょう。月全体では80%でも、「月曜は満員、水曜は6割」のような偏りがあれば、営業で伝えるべきは「水曜に空きがあります」です。

稼働率が上がらない主な原因

  • 終了が新規を上回っている:入院、施設入所、状態の変化などで利用が終わるのは避けられません。終了数を上回る新規が必要です。
  • 欠席が多い:体調不良だけでなく、「行く気が起きない」という理由の欠席もあります。
  • 曜日の偏り:人気の曜日は断り、空いている曜日は埋まらない状態です。
  • 紹介元が限られている:特定の居宅介護支援事業所だけに頼っていると、そこの事情で紹介が止まります。
  • 「選ぶ理由」が伝わっていない:特色があっても、ケアマネジャーやご家族に伝わっていなければ紹介につながりません。

デイサービスの主な集客ルート

集客ルート特徴やること
ケアマネジャー新規利用の大半はここから。最優先定期訪問、空き情報の共有、利用者の状態報告
地域包括支援センター要支援・事業対象者の相談窓口事業所紹介、地域ケア会議への参加
病院(医療ソーシャルワーカー)退院後の生活に向けた相談リハビリ内容や受け入れ可能な状態の共有
ご家族・利用者の口コミ信頼度が高く、定着しやすい満足度を上げる、紹介しやすい話題をつくる
Web(Googleマップ・ホームページ)ご家族が自分で調べるときの窓口Googleビジネスプロフィールの整備、写真と活動の発信
見学会・体験利用迷っている人の背中を押すイベントに合わせた見学日の設定

ケアマネ営業で紹介を増やすコツ

ケアマネジャーは多忙です。営業の目的は「覚えてもらうこと」ではなく、「この状態の利用者なら、あそこに頼もう」と思い出してもらうことです。

  1. 空き情報は曜日別に伝える:「火曜と木曜に2名ずつ空きあり」のように具体的に伝えると、ケアプランを組む側が判断しやすくなります。
  2. 受け入れられる状態像を明示する:「車いすの方」「認知症の方」「入浴介助が必要な方」など、できることを一覧にして渡しましょう。
  3. 利用者の変化を報告する:モニタリングに合わせて、体力測定の結果や「できるようになったこと」を写真付きで報告すると、信頼が積み上がります。
  4. 訪問は短く、定期的に:長い説明より、月に1回の短い訪問と空き情報の更新の方が印象に残ります。
  5. 話題になる事例を持っていく:「旅行を目標にリハビリを頑張った方が、実際に温泉旅行に行けた」のような具体的な変化は、ケアマネジャーが利用者やご家族に紹介するときの理由にそのままなります。

Webと口コミで集客する方法

Googleビジネスプロフィールを整える

ご家族が「地名+デイサービス」で検索すると、最初に表示されるのはGoogleマップの情報です。営業時間、写真、口コミへの返信を整えるだけでも、問い合わせは変わります。写真は「建物の外観」より、「利用者と職員が楽しそうに過ごす様子」(掲載同意を得たもの)が効果的です。

ホームページは「ご家族が知りたいこと」を載せる

1日の流れ、利用料金の目安、送迎範囲、職員の紹介、見学の申し込み方法は必須です。そのうえで、旅行や外出などの活動報告を定期的に更新すると、「活気がある事業所」という印象が伝わります。

検索広告は狙いを絞って

「デイサービス 集客」のようなキーワードは競争が激しく、検索広告のクリック単価が1回2,000円前後になることもあります。広告を使う場合は、「地名+リハビリ デイ」のように地域と特色で絞り、見学の申し込みをゴールに設定しましょう。

口コミは「話したくなる出来事」から生まれる

利用者やご家族が友人に話すのは、「この前、デイのみんなで上高地に行ったのよ」のような、話したくなる出来事があったときです。普段のケアの質に加えて、季節の外出や旅行など「思い出に残る体験」をつくることが、口コミのいちばんの種になります。

利用を続けてもらう(稼働率を守る)工夫

稼働率を安定させるには、新規獲得と同じくらい「休まず通ってもらうこと」が大切です。

  • 目標を一緒に立てる:「春になったらお花見に行く」「秋の旅行に参加する」など、楽しみにつながる目標がある人は、通所の意味を感じやすくなります。
  • 欠席が続いたら早めに連絡する:2回続いたら電話を入れるなど、ルールを決めておきましょう。
  • 曜日変更・振替を提案する:空いている曜日への振替をご家族やケアマネジャーと相談します。
  • ご家族への報告を増やす:連絡帳や写真で様子を伝えると、ご家族が「続けてほしい」と後押ししてくれます。

事例:旅行を「通う理由」にしたデイサービス

愛知県豊田市でリハビリデイサービスを運営する合同会社P-BEANSは、旅行支援事業「トラベルwithじぇぷと」を併せて展開しています。デイサービスの利用者が「旅行に行くこと」を目標にリハビリに取り組み、実際に専門職が同行して旅を実現しています。

2023年の取材記事では、旅行は月に10〜15件、参加者は平均で月に80〜100名ほどと紹介されています。また、愛知・三重・兵庫・大阪・東京などのデイサービスとも提携し、事業所単位での旅行を支援しています。【要確認:最新の件数・提携数】

「このデイに通えば、また旅行に行けるかもしれない」という期待は、利用者にとっては通い続ける理由に、ケアマネジャーにとっては紹介する理由になります。

毎月確認したい数字

指標見るポイント
稼働率(全体・曜日別)損益分岐点を超えているか、空き曜日はどこか
問い合わせ・見学数どのルート(ケアマネ・Web・口コミ)から来たか
契約数見学から契約に至った割合
終了数と理由入院・入所・他社への移行の内訳
欠席率特定の利用者や曜日に偏っていないか

見学・体験利用から契約につなげるコツ

問い合わせが増えても、見学や体験利用で「ここに通いたい」と思ってもらえなければ契約にはつながりません。見学対応は、集客の最後の一押しです。

  • 見学の日を選ぶ:活気のある時間帯や、レクや機能訓練の様子が見られる日を案内します。外出や旅行の振り返り会がある日もおすすめです。
  • ご本人の希望を先に聞く:施設の説明より先に、「どんなことができるようになりたいですか」「行ってみたい場所はありますか」と聞きます。その答えに合わせて、事業所でできることを伝えましょう。
  • ご家族の不安に答える:送迎、入浴、体調が悪いときの対応、連絡の方法など、ご家族が気にする点を先回りして説明します。
  • 体験の後に声をかける:体験利用の当日か翌日に、ご本人とご家族、ケアマネジャーへ感想を聞く連絡を入れます。迷っている理由が分かれば、次の提案ができます。

稼働率を上げる1か月のアクションプラン例

集客は、思いついたときにやるのではなく、毎月のルーティンにすると成果が安定します。

時期やること
第1週前月の稼働率(全体・曜日別)と終了者数を集計。空き曜日を確認する
第2週主要な居宅介護支援事業所に空き情報と利用者の変化の報告を届ける
第3週Googleビジネスプロフィールとホームページに活動報告を投稿。口コミに返信する
第4週見学・体験の振り返り。契約に至らなかった理由を整理し、翌月の対策を決める

「あと何人で黒字か」を計算してみる

稼働率の目標を立てるときは、「何%」より「あと何人」で考えると、行動に落とし込みやすくなります。

たとえば、定員20名・月25日営業の事業所で、採算ラインが稼働率75%(延べ375人)、現在が65%(延べ325人)だとします。差は月に延べ50人です。週2回利用の方が1人増えると、月に延べ8〜9人増えるので、週2回利用の方があと6人程度増えれば採算ラインに届く計算になります。

このように具体的な人数にすると、「今月は新規2名」「空いている水曜日に1名」といった現実的な目標が立てられます。数字は事業所ごとに異なるため、自社の実績で計算してみてください。

ケアマネジャーに渡す「1枚資料」の作り方

ケアマネジャーは、日々たくさんの事業所の資料を受け取っています。分厚いパンフレットより、要点が1枚にまとまった資料のほうが手元に残りやすく、紹介のときにも使ってもらえます。

  • 一行のコンセプト:「旅行を目標に、本気でリハビリするデイサービス」のように、誰のための事業所かを一文で。
  • 受け入れられる状態像:要介護度、車いす、認知症、医療的ケアなど、対応できること・できないことを正直に。
  • 曜日別の空き状況:更新日を入れて、最新の情報であることを示します。
  • 最近の利用者の変化:掲載同意を得たうえで、「3か月で屋外を歩けるようになり、紅葉狩りに参加」のような具体例を一つ。
  • 連絡先と見学の申し込み方法:担当者の名前と直通の電話番号を。

資料は毎月更新し、訪問のたびに新しいものを渡すと、「この事業所は動いている」という印象が伝わります。

よくある質問

Q. ケアマネ営業はどのくらいの頻度で行えばよいですか?
A. 主要な居宅介護支援事業所には月に1回を目安に、空き情報の更新と利用者の変化の報告を届けるのがおすすめです。訪問が難しい場合は、FAXやメールでの定期配信も有効です。

Q. チラシのポスティングは効果がありますか?
A. 地域での認知度づくりには役立ちますが、デイサービスの利用はケアプランを通じて決まるため、チラシだけで契約につながることは多くありません。見学会やイベントの告知と組み合わせると効果的です。

Q. 稼働率は何%を目指せばよいですか?
A. 事業所のコスト構造によって異なります。まず自社の損益分岐点を計算し、それを安定して上回る水準を目標にしましょう。

Q. 開設したばかりで実績がありません。どう集客すればよいですか?
A. 実績がない時期こそ、コンセプトと職員の専門性を前面に出しましょう。地域包括支援センターや居宅介護支援事業所へのあいさつ回り、内覧会の開催、Googleビジネスプロフィールの整備から始めるのがおすすめです。最初の利用者の変化を丁寧に記録すれば、それが次の集客の材料になります。

Q. 口コミを増やすにはどうすればよいですか?
A. 口コミは、利用者やご家族が誰かに話したくなる出来事から生まれます。日々のケアの質に加えて、季節の外出や旅行など思い出に残る体験をつくり、写真付きでご家族に報告すると、自然と話題にしてもらいやすくなります。

まとめ

デイサービスの稼働率を上げるには、曜日別の稼働率を把握したうえで、ケアマネジャーへの具体的な情報提供、Webでの発信、口コミの種づくり、そして「通い続ける理由」づくりを同時に進めることが大切です。

なかでも、旅行や外出のような「楽しみにつながる目標」は、新規獲得と利用継続の両方に効く施策です。自社に合う形で取り入れてみてください。

参考:日本通所ケア研究会、リハノワ取材記事

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